よくある質問

Q1.胃瘻中唾液をごっくんと飲み込んでいます。本当に口から食べられないのでしょうか。

 

A1.安全に食べる方法はあり得ます。ただ、一度は食べてはならないと評価されているわけですからむやみと食べ始めてしまうと肺炎や窒息が起きる可能性は高いです。なにか工夫をしなければならない可能性が高いです。

 

Q2.完全側臥位を試そうと思っています。一口量が1520ccと言われていますが、飲み込んでいるかどうか不安です。飲み込んでいることを確認できる方法はありますか。

 

A2.一口量は少なければいいのか、多ければいいのかは症状で異なります。私たちは食事で十分な栄養を賄えるように一口量を多くできるか確認するようにしています。それが15-20ccの意味です。 飲み込んでいるかの確認はいくつかの方法があります。嚥下造影、嚥下内視鏡、レントゲン。ほか、間接的な所見は、嚥下音も含めてリスクは残ります。

 

Q3.完全側臥位ではむせが起こらないのですか。

 

A3.むせは理想的には喉頭侵入、誤嚥が生じたら速やかに生じてもらいたいものです。ただし嚥下障害のもとでしばらく危険な食べ方をしていると咽頭喉頭気道の知覚が低下してむせなくなります。また咽頭喉頭気道に異常があり、むせるべきタイミングでなくてもむせることがあります。むせは あってもなくても誤嚥している可能性がありますのであまり重視しないようにしてください。 使い方としては、たとえば坐位で食べていてよくむせる方がいたとします。ほかの方法、完全側臥位法だとか食物形態の調整をしたところむせなくなったということであれば、むせられる人がむせなくなったという変化が評価になります。 また完全側臥位法は嚥下障害を良く代償する力がありますが、嚥下障害があまりに重度だと代償しきれないことがあります。 歩行障害に例えるなら、移動するために杖歩行器車椅子。車椅子なら多くの方が移動できますが、重度障害の場合車いすにも乗れない方がいらっしゃいます。よい代償方法であっても 限界はあること知っておいてください。

 

Q4.完全側臥位は、左下か右下どちらが良いのでしょうか。

 

A4.総合判断になります。食道入口部や喉頭の運動に左右差が明らかな場合は健側を下にしたほうが良いことが多いです。左無視などで頚部の向きが固定されている場合は、例えば左無視で右ばかり見ているなら、左を下にしたほうがうまくいきやすいです。上肢麻痺がある場合、非麻痺側が上になったほうが自力摂取がしやすいです。肩周囲の拘縮があれば、そちら側を下にするのはむつかしいでしょう。逆流が多い場合は左を下にしたほうが良いといわれますが、症例によっては右下のほうが良いこともあります。

 

Q5.90度側臥位が保ちにくいです。何度ぐらいまでなら背中側に倒れても大丈夫なのでしょうか。

 

A5.手技をマスターしても保ちにくい症例はあります。崩れると安全性は下がりますので、嚥下障害の重症度が比較的軽い方では崩れてもなんとかなることがあります。またのどの形によっては崩れてはいけない方がおられますので、まずはしっかりした姿勢がとれるようマスターしましょう。

 

Q6.完全側臥位で食べさせるのをやめた方がいい時はどのような場合でしょうか。

 

A6.完全側臥位は代償能力の高い手技で、かつ安価に、汎用できる点でも優れています。それでも嚥下障害を代償しきれない場合があります。そして完全側臥位法は一つではなく、様々なバリエーションがあります。症状に合わせて選択すれば安全性が担保できることもありますので、完全側臥位で食べていても頻繁に呼吸音に異常があっ たり発熱を繰り返す場合は嚥下検査を実施して適応を考える必要があります。

 

Q7.入院患者さんに対して、いつ完全側臥位を開始すれば良いのでしょうか。

 

A7.安全な経口栄養方法がわからない、あるいは完全側臥位が適応と判断されて、かつ経口栄養を始める場合には早々に始めるべきです。 患者の高齢化が進み、栄養計画が遅れるだけで回復が困難になることが多くなりました。早期に充実した栄養計画を立てる必要があります。

 

Q8.半年絶食しています。口から食べられるのでしょうか。

 

A8.食べられる可能性はあります。

 

Q9.完全側臥位で何から食べれば良いのでしょうか。 重湯から始めても良いのでしょうか。

 

A9.嚥下障害のパターンによって得意な食材は変わります。 成書(医療・看護・介護に役立つ嚥下治療 エッセンスノート)をご参照ください。

 

Q10.完全側臥位から座位へ変わる目安には、何がありますか

 

A10.検査しないで変更しないでください。 完全側臥位にしろどんな姿勢にしろ、適切な対応をしているのであれば現状で安全な摂取方法だから症状が出ないのです。 ときどき、前回の診察時よりも栄養障害が進んでいるにもかかわらず坐位にしたいといわれることがありますが、多くの場合不可能です。それは回復させるアプローチが不十分だからです。

 

Q11.VF,VE検査できません。完全側臥位で食べられる検査又は目安はありますでしょうか。

 

A11.弘法筆を選ばずといいますが、診断能力が高くなればVF,VEなしでもある程度の診断はできます。呼吸音だけでも大きな情報になります。しかし診断経験のない方が、例えば呼吸音を聞いても違いを聞き取るのはむつかしいです。 適応については、座位摂取が困難になった理由(むせ、食事量低下、発熱、肺炎、窒息、体重低下など)が、完全側臥位法でなくなったかを見ることになります。

 

Q12.完全側臥位だと常食で食べられるのですか。

 

A12.食べられる方もおられます。

 

Q13.同じ量で摂取カロリーを増やす方法はありますか。

 

A13.水分量を増やさないこと、脂質をうまく取り入れることです。

 

Q14.胃ろうをしています。PEGカテーテルの種類によって向き不向きはありますか。左下側臥位、右下側臥位のどちらが良いのでしょうか。PEGカテーテルが押しつぶされないように気をつければ良いのでしょうか。

 

A14.いままで問題になったことはありません。

 

Q15.チューブを左鼻から入れています。チューブが上になる右下側臥位が良いのでしょうか。

 

 

A15.チューブは重力に引かれて落ちますので、チューブを左に入れているつもりでも、右下にしていると右梨状窩に移動することが良くあります。 必ずしも反対側でなくてもよいと思っています。