平成30年7月11日
「父は急性期病院に3ヶ月、リハビリ病院に4ヶ月の入院を経て、今は在宅でみています。
急性期病院では「食べられるようになる道のりはとても厳しい」
リハビリ病院では「リスクが高いから口から食べることは無理」と言われてしまった父ですが、完全側臥位法に出合い、口から食べる喜びを取り戻すことができました。
237日ぶりに口にした豆乳ヨーグルトはどんなにかおいしかったことでしょかう☆
本当にうれしかったです。
入院中、父と同じような多くの患者さまに出会いました。父と重なりました。
そしてすべての方が最後までお口から食べる喜びを味わい、生を全うすることができる世界になりますように☆と願うようになりました。
病状も置かれている状況もそれぞれの方によって違うと思いますので、あくまで父の場合はということになりますが、知っていただけることで少しでも大切なご家族の方や患者様が、お口から食べられるようになる一歩へ近づくことができますように☆
そんな願いを込めて父を通しての体験を書かせていただきたいと思います。
父は7年ほど前にパーキンソン病と診断されました。今年80歳になりました。昨年秋、風邪が長引いて体調を崩し救急搬送となりました。麻痺性イレウスと脱水症状がひどく、とても危険な状態ということでした。
処置室から出てきた父には経鼻胃管がされその日から絶飲食になりました。
急性期病院にいる3ヶ月間、イレウスと脱水症状は回復しましたが、嚥下障害があるとのことで経鼻胃管が取れることはありませんでした。
そして急性期病院の主治医の先生は「ゼロとは言わないが食べらるようになる道のりはとても厳しい」とおっしゃいました。
父は入院中毎日のように「食べたい、飲みたい」と言いました。
食べたいのに食べられない苦しみは計り知れません。
入院前日までは食欲もありペースト状にしたかぼちゃスープやおかゆを食べていたのに入院した日を境に一切口にできなくなってしまって本当に辛かったと思います。
母と私は毎日病院に行って励ましましたが、そばにいることしかできないとてもこころ苦しい月日でした。
父にとって何が最善か…どうしてあげるのが幸せなのか毎日考えました。
お家に連れて帰って看取ってあげた方が父を苦しみから解放してあげられるのではないかとも考えました。
ですが「食べたい、飲みたい」と言う父は「生きたい」と言っているように思えて父の願いが少しでも叶う可能性があるならと僅かな希望にすがる気持ちでリハビリ病院に転院しました
それから1ヶ月半ほどしてから造影検査と内視鏡検査をし、その結果「リスクが高いから口から食べるのは無理」と診断されてしまいました。
重く分厚い扉を閉ざされてしまったように思いました。
リハビリすればきっと食べられるようになると信じてリハビリに励んでいる父にそのことを伝えることができませんでした。
検査の仕方にも疑問を持った私は主治医にそのことを伝えたり、何か方法は無いのか考えてほしいと看護師やSTの先生にお願いしました。
看護師には「検査でわかったでしょう。現実を見なさい」と言われてしまいましたが、検査自体に納得がいっていなかったので「リスクがあるのもわかりますが本人の意欲をみてほしい。経口摂取にチャレンジしてほしい」とお願いしました。
ですが「リスクがあることはできない」の一点張りでした。
やるなら在宅にしてからやればいいと言われた時には見放されてしまったような気持ちにもなりましたが、それと同時に病院で無理なら自分でやるしかないと覚悟が決まりました。
父の願いを叶えてあげられるように学ぼうと決意しました。
父はリハビリを嫌がることなく、いつも父の精一杯で励んでいました。
父のあきらめない姿勢に突き動かされて食べられる道を探しました。
そしてSTの先生に教えていただいて出合わせていただいたものが完全側臥位法です。
こちらのホームページを読ませていただいて一縷の望みを持つことができました。
そして父が食べられる可能性があるかもしれないから試してみよう、そう思いピタットくん90ワイドを送っていただきました。
そこから父の口から食べられる道が開かれました。」
多田良 里美
サイトメニュー