睡眠中にむせたり、咳き込んだりしていませんか。
睡眠時無呼吸症候群や後鼻漏(こうびろう)や唾液が原因のむせがあります。
唾液による誤嚥から、誤嚥性肺炎になる方が多くいます。
唾液によるむせは姿勢をコントロールすることにより、予防できる場合があります。
仰向きで寝ている時、唾液は口の中に貯まっていき、無意識で飲み込んでいます(嚥下反射)。むせは唾液が気管に入ったとき気管から追い出すための防御反応として起こります。
しかし、睡眠中に無意識のうちに唾液が気管に流れ込んでも「咳き込み」や「むせ」などの反射が見られないことがあり、誤嚥をしますこれを不顕性誤嚥といいます。
唾液が気管に入らなければ「咳き込み」や「むせ」、「不顕性誤嚥」の予防に有効です。
横向きになると気管より下の広い空間(咽頭側壁)に唾液を約20㏄溜めることができます。
通常1分間に1㏄唾液が分泌されているそうです。
嚥下反射が起これば溜まった唾液は食道に飲み込まれていきます。嚥下反射が起こりにくい方や唾液の分泌量が多い方は、口元を下向きにし唾液を口から出すようにし、口元にタオルをあて唾液を吸わせるようにしておくと誤嚥しにくくなります。
透明咽頭モデル「トラピス」で説明
横向きの姿勢で、体幹が後方に倒れていくと誤嚥リスクが高まります。
横向きになった姿勢を維持すると唾液によるむせが予防できます。
仰向けにならないように、背中側にクッションを当て横向きの姿勢を維持するのが「ピタットくん90ワイド」です。
ピタットくん90ワイドの目的は、体幹が後ろへ倒れていくのを防ぐことです。
ピタットくん90ワイドは伸びる生地と伸びない生地でできています。体幹が後方へ崩れるとクッション部分に圧力がかかり伸びない生地が背中側に巻き付くようになり、体幹が後方へ崩れるのを防いでくれます。
身体の下に敷いたシートがクッションのずれを防止し、仰向けにならないようにクッションが背中を支えます。
使用例
背中にピタットくん90ワイドのビーズが支え、身体の下の自重シートによりクッションは動きません。
唾液の量が多い場合や嚥下反射が起こりにくく、そのまま唾液が気管に入るようであれば
口元を下に向けて、唾液を口の外へ流すようにすると唾液によるむせや誤嚥は起こりません。
「姿勢で治る嚥下障害」
ピタットくん90ワイド
ピタットくん90ワイドの仕様
名称とサイズ
お手入れ方法
・唾液、嘔吐、頭髪、薬剤などが生地に付着し、不衛生になった場合、洗濯と消毒ができます。
・ピタットくん90ワイドは、0.1%次亜塩素酸消毒対応の生地・発泡ビーズを使用しています。
・洗濯はぬるま湯で、手洗い後、脱水して下さい。乾燥機を避けて(耐熱75度)日陰干しして下さい。
自重シートをニット側に折り曲げる。
折り目を背面とベッドの境にセットする。
自重シートとクッションの間に手を入れて、患者の体の下に手とともに自重シートを敷きこむ。
身体が安定するように、自重シート及びクッションを調整する。
シートとクッションの境目をベッドの真ん中に置く。
シートとクッションの境目に身体がくるように体を動かし調整する。