「嚥下障害Firstaid」

嚥下障害は、嚥下障害であることに気づくことが難しいことがもっとも大きな問題といえるでしょう。早々に嚥下障害であると気が付けば簡単な方法で対応できます。

早々に現れる嚥下障害の兆しとは何でしょうか。

・急にむせるようになった

・寝ていて咳が出て目が覚めるようになった

・のどに詰まる感じがする

・胸に詰まる感じがする

・痰が絡んだようながらがら声がでる

 

こういった症状は嚥下機能のどこかに異常があると考えられます。例えば風邪をひいてガラガラ声になるのも、感染により咽頭喉頭の機能が低下して唾液が飲めなかったり痰が切れなかったりするためです。

何が原因かはさておいて、こういった症状があればいったん安全な食事方法に変えるとよいでしょう。

ガラガラ声の場合、本当の声と聴き比べるとわかりやすくなります。本当の声はベッドなどで横になってしっかり咳をして、それから声を出すと聞こえます。これは声を出すときに狭まる場所、声門周辺に唾液や痰が絡んでいる場合にこれらをうまく外す方法です。その声を聞いておいて、座った時に声が変わるか、食事をしたときに、または水を飲んだ時に声が変わるか確認します。もし声が変わるようなら次の3つの方法を考えます。食事中むせるようになった方や詰まるようになった方も同様です。

    食事姿勢を変える(座位⇒前傾座位⇒完全側臥位)

    食事内容を変える(常食⇒かまないで飲めるもの⇒ペースト食)

    水分のとろみ(水⇒薄いとろみ⇒濃いとろみ)

食事中の声が良くなるように調整してみてください。調整した方法でしっかり食べられれば2-4週間様子を見て改善すれば元の食事が食べられる可能性があります

 

Firstaidはあくまで「応急手当」です。調整がうまくいかなかったり、様子を見ていてもうまくいかないとき、あるいは心配なときはただちに嚥下障害治療ができる医療機関にご相談ください。

                                                                                                                                                                    福村直毅