楽に食べよう~完全側臥位法のすすめ

福村直毅先生が完全側臥位法をわかりやすく解説してくれます。

1回目 21日 「完全側臥位法はなぜ生まれたか」

2回目 28日 「横になるのは由緒正しい食べ方だ」

3回目 215「完全側臥位法の代表的効果」

4回目  219「フィニッシュ嚥下について」

5回目 222「嚥下障害Firstaid」(応急手当)

6回目  229「専門的治療」

7回目 36日 「肺炎にかかって胃瘻を勧められたとき」

8回目 314「小刻み歩行で痩せてきたおばあちゃん」

9回目 321「風邪が治らない」 

10回目 331「声がかすれる」

11回目 44日 「食事姿勢再考」 最終回になります。

福村先生大変わかりやすい内容で、ありがとうございました。

 

11回の読み切りで、完全側臥位法をやってみようという、きっかけになればと思います。


完全側臥位法の理論と実践

1日で完全側臥位法の理論と直ぐに実践できるための実技指導を行います。

口から食べることを禁止された方のおよそ70%の方が姿勢を変えるだけで、食べられています。

その驚きを知り、衝撃を味わってください。

院内・施設・在宅で食事ができる可能性のある方に、安全に提供できる理論と技術が身に付けられます。


完全側臥位での内視鏡(VE)動画です。

気管より下に緑色のとろみ水が溜まっているのが分かります。

だから、完全側臥位では誤嚥しません。

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「嚥下障害Firstaid」 (月, 22 2月 2016)
嚥下障害は、嚥下障害であることに気づくことが難しいことがもっとも大きな問題といえるでしょう。早々に嚥下障害であると気が付けば簡単な方法で対応できます。 早々に現れる嚥下障害の兆しとは何でしょうか。 ・急にむせるようになった ・寝ていて咳が出て目が覚めるようになった ・のどに詰まる感じがする ・胸に詰まる感じがする ・痰が絡んだようながらがら声がでる   こういった症状は嚥下機能のどこかに異常があると考えられます。例えば風邪をひいてガラガラ声になるのも、感染により咽頭喉頭の機能が低下して唾液が飲めなかったり痰が切れなかったりするためです。 何が原因かはさておいて、こういった症状があればいったん安全な食事方法に変えるとよいでしょう。 ガラガラ声の場合、本当の声と聴き比べるとわかりやすくなります。本当の声はベッドなどで横になってしっかり咳をして、それから声を出すと聞こえます。これは声を出すときに狭まる場所、声門周辺に唾液や痰が絡んでいる場合にこれらをうまく外す方法です。その声を聞いておいて、座った時に声が変わるか、食事をしたときに、または水を飲んだ時に声が変わるか確認します。もし声が変わるようなら次の3つの方法を考えます。食事中むせるようになった方や詰まるようになった方も同様です。 ①    食事姿勢を変える(座位⇒前傾座位⇒完全側臥位) ②    食事内容を変える(常食⇒かまないで飲めるもの⇒ペースト食) ③    水分のとろみ(水⇒薄いとろみ⇒濃いとろみ) 食事中の声が良くなるように調整してみてください。調整した方法でしっかり食べられれば2-4週間様子を見て改善すれば元の食事が食べられる可能性があります   Firstaidはあくまで「応急手当」です。調整がうまくいかなかったり、様子を見ていてもうまくいかないとき、あるいは心配なときはただちに嚥下障害治療ができる医療機関にご相談ください。                                                                                                                                                                     福村直毅
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「フィニッシュ嚥下について」 (Fri, 19 Feb 2016)
完全側臥位法を実施するにあたって、注意する点と誤解されている点にフィニッシュ嚥下があります。 完全側臥位法を導入する時の質問で 「フィニッシュ嚥下で水分を飲み込むときに誤嚥しないか不安です。」と質問されます。 フィニッシュ嚥下は、心配されているとおり残留した水分は誤嚥される可能性があります。 ではなぜわざわざフィニッシュ嚥下をするのか? はじめに知るべきは、嚥下反射は再現性が高く、咽頭収縮が弱いところは常に何かが残りうるということです。 ヒトは常に唾液や鼻汁を咽頭に流し込んでいます。つまり収縮不良部分に唾液や鼻汁が常に残留していることに対してどうするか、ということです。 場合分けをしましょう。 ① 何も食べていない場合・・・鼻汁、唾液による汚染 ② 食べた場合・・・食材 ③ フィニッシュ嚥下した場合・・・とろみ水 なにも残留していない、という選択肢がありません。この①から③で何を選びますか、という問いになるのです。 完全側臥位法以外でも、食材の残留があり取り除くためにフィニッシュ嚥下を行っています。 一 般に、咽頭残留除去として行われている方法にゼラチンスライス摂取法があります。ゼラチンスライスの摂取は、嚥下反射惹起が遅れる方では誤嚥リスクが高く なりますのでご注意ください。また食道入口部開大不全が強い方の場合はつよいとろみ水で残留が増加しますので、症状に合わせてとろみ水、水、ゼラチンを使 い分ける必要があります。症例数が多いのは嚥下反射惹起遅延を主体とした偽性球麻痺ですので、特殊な環境、例えば頭頸部外科病棟などを除けばとろみ水を使 うことが多くなるでしょう。                                                                                                                                                               福村直毅 完全側臥位支援クッションはこちらをクリックしてください。
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「完全側臥位法の代表的効果」 (Mon, 15 Feb 2016)
嚥下障害と一言で言ってもその原因は多々あります。原因によって対策が決まります。ではどんな原因の時に完全側臥位法が役に立つのでしょうか。 のど(咽頭)は横広の空間です。そのほぼ真ん中に肺の入り口(喉頭)があります。喉頭に食物や唾液などが入ると危険です。どうやったら喉頭に入れないで食べられるか、というパズルを考えます。私はこのパズルを考えるためにコーケンさんにお願いして「咽頭喉頭透明モデル」を作成しました。単純には下図1のように、真上から見ると前後に比べて両サイドに喉頭のスペースが広く空いています。ここをうまく使います。 最もわかりやすいのは飲み込んでも食べ物がのどに残ってしまう方です。残ってしまった食べ物をどこに置けるのか。座位では下図1、2、3から喉頭蓋の外側と咽頭の下側に貯めることができますがあまり広いスペースではありません。仰臥位では咽頭の下側だけに貯められるのでこれは座位よりもスペースが狭くなります。側臥位では咽頭側方に貯めることになりますが、これがもっとも広いスペースを担保します。 咽頭に貯める、という方法がマスターできるといろいろと活用ができます。例えば嚥下運動は反射で生じますので、その反射が遅れてしまう場合。これは感覚入力が一定以上に達しないと嚥下運動が生じないわけですが、その刺激を作り出すために咽頭にたくさん食べ物をため込む方法が使えます。嚥下反射を生み出すための完全側臥位というわけです。 従来から用いられていた一側嚥下も完全側臥位で目的を達することができます。 いろいろと応用が利く完全側臥位です。まずこの3パターンを試してみてはいかがでしょうか。                                                                       福村直毅 完全側臥位支援クッションはこちらをクリックしてください。
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「横になるのは由緒正しい食べ方だ」 (Mon, 08 Feb 2016)
  あなたは食べるときどんな姿勢をしていますか。ほとんどの方は座って食べているのでしょう。ではこれまで横になって(側臥位で)食べたことはありますか。このように講演で聞きますとほとんどの方は食べたことがないとおっしゃいます。はたして皆さんはいかがでしょうか。 今 では椅子の生活が多くなっていますが、中には和室でちゃぶ台に向かって食べているとかこたつに入りながら食べる方もいらっしゃるでしょう。そういった床の 生活の場合、リラックスしてくると簡単に横になることができます。肘を立てて手で頭を支えて横になりながらテレビを見る。そしてお菓子を食べたりジュース を飲んだりする。そんな経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。またソファーの生活の方も、ソファーにそのまま転がって、テレビを見ながらポテトチップ スを食べる。そんなカウチポテトと言われるスタイルもあります。風邪をひいてベッドで寝ていて、ちょっと調子が良くなって小腹がすいたから横になって布団 に潜り込んだままでクッキーを食べてみたことはないでしょうか。 横 になって食べるのは次のような場合と考えられます。①リラックスしている。②体調が悪い。気楽に力を抜いて具合が悪くても食べられるとなればとてもいい方 法に見えます。しかしながら日本では「横になって食べると牛になる」などといさめる言葉があり、横になって食べないようにしつけられてきました。だらしな いと思われることもあります。本当にだらしないのでしょうか。 古代ローマ時代、貴族階級の正式な会食であるシンポジオン(シンポジウムの語源でもある)では、参加者はみな横になって食べるしきたりでした。同時代の偉人である、イエス=キ リストは最後の晩餐を弟子たちとともに「横になって」召し上がっていたことがわかっています。当時のことわざで「座って食べる」という言葉があったそうで す。意味は「ちゃんと横になって食べる暇もないくらい忙しい」だそうです。ヨーロッパ、西アジアの文明はもとをたどると横になって食べるのが行儀の良いス タイルだったのです。 安全でリラックスできる食事が横になって食べる方法です。私たちは昔からの由緒正しいこの食事方法を治療に取り入れるべく「完全側臥位法」と名付けて研究しています。次回は完全側臥位法の効果についてお話しします。                                                                                             福村直毅
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「完全側臥位法はなぜ生まれたか」 (Mon, 01 Feb 2016)
「皆さん初めまして。今回から飲み込みの治療(嚥下治療)の考え方を解説させてもらいますリハビリテーション医の福村と申します。特にうまく食べられない方々にとって有益なお話ができるよう心掛けてまいります。 1回目は嚥下治療のキーとなる手技、完全側臥位法がなぜ生まれたのかをお話しします。 う まく呑み込めない状態を嚥下障害と言います。嚥下障害を放置すると肺炎になったり(誤嚥性肺炎)、窒息したりと命にかかわる出来事が起きやすくなります。 また肺炎や窒息はご家族やかかわる福祉関係者らに衝撃を与えます。食べさせたのが悪かったのではないか、食べさせ方が悪いのか、もっと飲みやすいものを提 供すればよかったと逃れがたい後悔と自責が渦巻くのです。嚥下障害は本人だけでなく周囲にも多大な影響を及ぼすのです。 私 が医師になって、1年目のはじめにまずつまずいたのが嚥下障害でした。うまく食べられていない人がいるのにどんな方法で何を召し上がっていただけばよいの か、診断する方法が決まっていないのです。医療を学ぶうちに、どこかによい方法を知っている人がいるのではないかと探し、多くの良い師匠に出会い、嚥下治 療を学ぶことができました。 嚥下治療を知ってみると、 対応方法が確立している嚥下障害の種類がまだ限られていて、嚥下障害のある人の中で数多くの人は十分に食べられる方法が見つかっていないのだともわかりま した。いろいろな先生方が嚥下治療を開発されている中で、私は市井に暮らす人たちの多くにみられるタイプ、のどの感覚が悪くなったり筋力が落ちたりして起 きる嚥下障害を何とかしたいと考えて研究していました。 2007 年のある日です。嚥下造影検査をしているときに、一側嚥下(のどの働きが左右で違うときによいほうののどを使うために悪いほうの喉をうえにして横たわった 姿勢。通常肩枕をして姿勢を整える)で食べられることを確認していました。すると、一緒に評価していた言語聴覚士が『完全に横を向いちゃえば(完全側臥 位)上になった手で自分で食べられませんかね』とアイデアを出してきました。それまで完全に横を向いて食べるという方法はどこでも提案されていませんでし たので、私はいったいのどにとっては有利なのかを考え始めました。するとものの数秒で明らかに有利であることに気が付いたのです。のどは横広で、肺との分 岐部(喉頭)はその真ん中あたりにあります。上を向いて寝ているよりも、肩枕で傾けるよりも、さらにしっかり横を向いたほうが食べ物が通過する道を喉頭か ら離せるではないか。そのときから完全側臥位法の原理を再確認し、嚥下治療を再構築する試みが始まりました。」                                                                                                                                                                                                           福村直毅   完全側臥位支援クッションはこちらをクリックしてください。
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